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【出版】藤本武・八塚春奈・桐越仁美(編)2025『食文化からアフリカを知るための65章』明石書店

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2025年6月2日に『食文化からアフリカを知るための65章』( アマゾン /明石書店)いよいよ出版されます。 2018年末に、その後、籍を置くことになる京都精華大学を会場として行った「 第2回 アフリカ発酵食品文化研究会 」が本書の母体となった、アフリカ食文化研究会(正式な名前ではないですが)で、2023年からは東京外国語大学のアジア・アフリカ言語文化研究所の共同研究「 アフリカ食文化研究-変貌しつつあるその実像に迫る―(jrp000289) 」という名前で活動をしています。これまでに、この研究会からは、すでにいくつもの論考を発表し(例えば、 『農耕の技術と文化』30号 など)今回の出版にたどり着きました。 私は以下の4章分を分担執筆しました。 第8章 西アフリカ乾燥地の伝統的主食:雑穀で作られる練粥「ト」 第17章 西アフリカに広がる米食文化:セネガル料理の影響と土着の料理との融合 第36章 アフリカの納豆文化:西アフリカの味を決める発酵食品 第46章 チャパローソルガムでつくる地酒(ビール) しかし、これでいよいよ手持ちのネタは玉切れ。なんか新しいネタを考えておかねば… もし、奇特にもこのブログを読まれている方で、ご所望の方がおられましたら、ほんの少しお安くお譲りできると思いますので、ご遠慮なくお申し出ください。

【子ども学と子育て】Vol.27 キイチロウとフィールドワークする(GW家族企画)

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岐阜城  「信長の野望」、僕が中学生の頃にはまったゲームは、30年以上たった今も多くの人たちの間で楽しまれています。ゲームをしなくなってずいぶん経ちますが、昨年のクリスマスに「サンタさん」がキイチロウにこのゲームを持ってきました。「サンタさん」の気持ちを察するに、社会がメチャクチャ得意だったお父さんに似ずに、未だに都道府県名がほとんどわからないこと、位置関係も名前も県庁所在地も、そこにどんな産業があるかも…お父さんは、5年生の頃には市町村単位で人口やら産業やらを知っていたのに… 子どもに自己投影してしまう、パワハラ、アカハラ気質を吐露しましたが、「信長の野望」作戦は結構成功している気がします。とてもゲームが難しくなっているおかげで、小学4年生のキイチロウには一人でやるのは難しく、僕のサポートが必要なこと、物語に少しずつ興味が出てきたこと、昔の地名だったりしますが、漢字を読もうとすることなどなど、苦しまずに背伸びをしているのは、とてもよいこと。 キイチロウの芽生えた好奇心をさらに強くしたい、という狙いもあり、今年のGWはお城廻りをすることにしました。「信長の野望」、現在、織田信長でご機嫌に快進撃を続けていることもあり、織田信長のルーツを訪ねる旅、ということで、岐阜→清州→名古屋と、回ることとしました。 GW終盤ということで、渋滞回避のため5時過ぎに自宅を出発し、岐阜公園に着いたのは8時前。さすがにまだ誰もいないだろうと高をくくっていたら、すでに金華山行のロープウェイには長蛇の列。1時間近く待ち、頂上に上がり、岐阜城の天守閣に登る。途中、疲れた…などと言いながらも、城内に入り、展示を一つ一つ一緒に見ていると、疲れも見せずに嬉々としていろいろと質問してくる。あふれ出る好奇心に思わず目を細めながら、一緒に展示を見て回り、天守最上階から下界を眺める。決してゲームでは経験できない信長も眺めたであろう、絶景を見て、少しは感動してくれたでしょうか。 岐阜城内の織田信長の甲冑と。 岐阜城の後は、近くの歴史博物館へ。10年ほど前に一度地球研の企画で訪れて、展示の充実ぶりは知っていたので、ここはセットで連れてきたかったところです。ここの常設展は、戦国武将としての織田信長の功績はもとより、「楽市楽座」の展示が充実しているのがよいです。ゲームでもお金を持っていればいろいろできるのです...

【日本のアフリカン・レストラン】⑥「+221」と「Afributik」@坂戸(セネガル料理)

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「マフェ」 日本のアフリカ料理屋6軒目は、ようやく来られた「+221」。なんのこっちゃと思われるでしょうが、これはセネガルの国番号。このお店は、どちらかというと、隣にあるAfributikの方が有名で、セネガルの食材が大体手に入るお店としてよく知られています。いつのころからか、このお店のオーナー(おそらく)のセネガル人女性が出す料理がおいしい、という話が聞こえてきて、早く行ってみたかったお店でした。 東武東上線「若葉」駅から徒歩5分ほどで到着し、店の中に入ると、セネガル人男性7名ほどがたむろっている。ダイラで見たことのあるような顔がちらほら。やっぱりこの辺にもセネガルの人が住んでいるのが分かる。 席に着き、さて、何をいただこうかしら。お店の人を呼び、「今日はなにがあるの?」と聞くと、「全部あるわよ」…アフリカ的にはこれは信じてはいけない言葉。フランス語に切り替えて、ボロヘかチェブジェンを、というと「ない」と(笑)。それ以外は大概あるそうで、ある意味ビンゴ。あんまりいじめてもいけないので、「マフェをください」。 さすがですね。もうちょい肉を入れてほしかったが、値段もリーズナブルだし、味もよい。ボリュームもしっかりしていて、ほぼ満点でしょう。 隣り合っているアフリブティックと+221 +221の看板 食事後にオーナーとも挨拶。実は、ダカールで一度顔を合わせたことがあり、先方もご記憶でよかったです。連絡先を交換して、再開を期す。その後、Afributikにも寄る。噂にたがわぬ品揃え。僕が知らない調味料もそろっているし、美容系用品もたくさんあり、アフリカ系の女性がそれなりの数いることも推察させる。 ファタヤ メニュー  やっぱり、もっと早く来ておくべきだったし、この後、また行かねば、と、ファタヤを食べながら思ったのでした。 食べログ:https://tabelog.com/saitama/A1103/A110304/11062099/

2025年度 今年度やること

すでに4月も過ぎ、GWに差し掛かっていますが、今年度の目標というか、Todoというか、これからこんなん出ますなども。元気に仕事してます、報告です。 【研究】  昨年度いっぱいで自分の科研費が終了。また、分担者としてかかわっていたものもいったん終了しました。残念ながら、萌芽研究しか出せなかった自分の科研費は不採択でしたが、二つの科研費プロジェクトの分担者としてお誘いいただき、研究者としては研究が続けられることになりました。一つは、「 ポスト世俗時代における地域間比較宗教学に向けてー複眼的世界像の構築と分析 」(基盤研究(A)、代表者:伊達聖伸)、もう一つが「 イスラーム教育と世俗の越境・融解:ムスリム側から描く「ポスト世俗 」(基盤(A)、代表者:日下部達哉)です。この二つはそれぞれのテーマに沿った海外調査がメインです。このほか、学内の「個人研究奨励費」というのをいただきましたが、こちらは在日アフリカ人調査に充てる予定にしています。 一応、調査については、こんな感じで目途が立ちました。で、「いっぱい書きます」は宣言しておきます。まず「書きました」は2.5冊ほどあります。いずれも明石書店のエリアスタディーズシリーズですが、『食文化からアフリカを知るための…』『ガーナを知る…』『ブルキナファソを知る…』と寄稿しました。この辺は年度内には必ず出版します。 そして、現在書いているもの、書き出したものです。まず、昨年度までの科研費の成果出版の目途を立てる(原稿を出す)こと、日下部科研の先行プロジェクトの成果発表の原稿(2本)が大きめのお仕事です。このほか、『ブラック・ディアスポラ事典』の編集委員を仰せつかっており、2027年度出版を目指し、打ち合わせを行っているところです。そしてそして、これだけ受けておいて大丈夫か?!ですが、博論、何とか今年度こそ目途を付けます。 【教育面での目標】 昨年度は、グローバルスタディーズ学科が一巡し、無事に1期生が巣立っていきました。我われも授業が一巡し、ベースが固まってきました。今年度は新たな講義資料を作成する必要はないのですが、来年度からの本格的な学部再編を前に、いくつかの準備をせねばなりません。講義科目は、大きくフィールドワーク関連科目、比較社会学、子ども学概論というのを担当していますが、文化人類学の近接科目でもある比較社会学の充実化...

【発表】アフリカ学会第61回学術大会@京都大学 フォーラムフォーラム「在日アフリカ人コミュニティの動態:時間的拡大と空間的拡大」

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  5月17日、18日に開催されるアフリカ学会で発表します。大体毎年発表していますが、今年度は、松本尚之さん(横浜国大)を筆頭としたフォーラム「在日アフリカ人コミュニティの動態:時間的拡大と空間的拡大」の発表者として登壇します。 在日アフリカ人研究は和崎先生が切り拓き、和崎先生らがこの研究領域をはじめてから、その環境や動態は大きく変化してきました。こうした現状を踏まえ、改めて発展的に展開していこうとする試みです。 プログラムは以下の通りです。 ++++++++ F-07 在日アフリカ人コミュニティの動態:時間的拡大と空間的拡大 企画代表者:松本尚之 (1)松本尚之(横浜国立大)「趣旨説明:変動する在日アフリカ人コミュニティーナイジェリア出身者の事例から」 (2)清水貴夫(京都精華大)「宗教的な結節点をつくる 在日セネガル人コミュニティの新たな展開」 (3)若林チヒロ(埼玉県立大)「在日ガーナ人と第2世代の動態ー多様化するライフコース」 (4)菅野淑(愛知淑徳大)「在日セネガル人ミュージシャンの動態」 (5)和崎春日(中部大)「在アジアアフリカ人の空間的伸長と時間的増深をささえる自己規定と社会原理」 コメント(プログラムには出ていません):鈴木裕之(国士舘大学)、小川さやか(立命館大学) 討論 +++++++++

【子ども学と子育て】Vol.26 子どものころの記憶を伝える

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初めて取ったタケノコを手に 僕がタケノコ堀りに行ったのはいつ頃だったか…最初に行ったのは、おそらくは小学生の低学年の頃だったのではないかと思うけど、その後、毎年ではないけど何度かは竹林に分け入ったのを記憶しています。それ以外にも何度か、タケノコ掘りをしたようなきがしていて、熟練しているわけではないけど、体が勝手に動くようでした。どれくらいタケノコ掘りをしたかなどの記憶はぼんやりしているのですが、、最初期に食べた「タケノコの刺身」がとてもおいしかったことや、父母と一緒にタケノコを掘った記憶はあります。 とてもよく整備された竹林 今回訪れたのは、木津川市の山林。「加茂女(かもめ)」というNPOが管理する竹林です。大変よく管理されていて、竹林の下草はきれいに刈られ、傾斜には階段が作られ、敷地内には、竹で作ったトイレ、竹炭を作り、窯(ピザ用)には竹がくべられていました。竹をうまく利用しようという姿勢を感じました。 タケノコって意外に重い 簡単に説明を受け、早速タケノコを探しにいくのですが、「パパ、タケノコどこにあるの?」。あっ、そっか。そういうのもわからんのね。その辺を見まわして、タケノコの頭を指す。一本目はタケノコの周りの土を掘り、根元のところまで掘り進める。竹の根を切り、タケノコを取り出すと、「見せて~」。じっさいに持ってみるとずっしりとして、「重い~」。 自分で見つけたタケノコを掘ってみる 今度は自分でやってみて。ということで、自分で掘ってみる。家の花壇の土位しか触ったことがない貴一朗にとって、本格的に土を掘るのは初体験。小さなツルハシで回りを削るように掘っていかねばならないのだけど、こんな姿勢でやるもんだから、すぐに「代わって~」。ツルハシの大きさからすると、まだ片手で操るのは難しいか… ピザもついていた 2時間ほどタケノコを掘り、土嚢袋2袋分。おそらく20㎏ほど取れて、もうお腹いっぱい。お昼には、タケノコご飯、焼き芋、ピザを出していただきました。これで大人4000円は安いですね。 帰宅してから作ったタケノコご飯 帰宅して余勢を駆ってタケノコの下ごしらえをし、まだ熱を持った状態でタケノコをいくつか取り出してタケノコご飯を作る。柔らかなタケノコ、美味しくいただきました。タケノコ生活3日目ですが、土佐煮、筑前煮、若竹煮と知りうるタケノコ料理を作り、あと少し。貴一朗が「ペ...

【子ども学と子育て】Vol.25 お弁当づくり

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  今シーズン最後の弁当。野菜少な目。 貴一朗は小学校の3学期が終わり、それ以来2週間は給食がないので、お弁当生活でした。私自身も本学の学食はすでに食べ飽き、職場の変わった自分の分と連れ合いの分も含め、この間、 作り続けました。 まさかキャラ弁など作れるわけもありませんし、全て手作りということもできないので、冷凍食品なども適当に使い、オカズが前の日と被ったりしながらでしたが、何とか最終日を迎えました。最終日の今日は貴一朗のリクエスト弁当。チャーハン、メンチカツ、卵焼き、ちくわキュウリ、ミニトマト(なかなかのハイカロリー…)とちょっとお野菜(写真)です。 そもそも料理を作るのは好きなので、それほど苦痛ではないだろうと高を括っていたのですが、普通の料理と弁当の料理がこうもちがうものか、というのを痛感しました。汁が出ないようにする、隙間を埋められるオカズをいくつか用意しておく、少しは彩りを考える(放っておくと茶色くなる…)、などなど大変でしたが、いろいろ勉強になりました。 夜布団に入ってから翌日のお弁当のことを相談して、眠りにつく。料理に関心を持った貴一朗に包丁を持たせる、味見をしてもらって一緒に調整する、などなど、大変な中で、こうした時間はとても楽しいものでした。僕が感想を聞きたがるからか、夕飯を食べながら反省会。「今日はちょっと塩辛かった」とか、「あのおかず、ちょっと苦手な味付けだった」とか、正直に言ってもらえるので、「パパ、あれまた作って」の感激は大きい。 先週、新学期が始まり、貴一朗は4年生になりました。だんだん少年になる彼がいつまで弁当を楽しんでくれるんでしょうね…とにかく、空腹で生活に障害がでないように、そして、仮にも「食」で何本も論文を書いている身。食から社会に関心を持ってくれたら、望外に喜ばしいです。