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【日本のアフリカン・レストラン】④「Amaging Grace」@草加(ガーナ料理)

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日本のアフリカン・レストラン3軒目。 Amaging Grace @草加市です。こちらも前回のセブンスターと同じく比呂さんのご紹介なのですが、今回は比呂さんとご友人方ともご一緒させていただきました。ちなみに、比呂さんは Ethnic Neighborhood というYoutubeチャンネルを作られています。 東武スカイツリーライン新田駅から徒歩5分ほどのところにあるAmaging Grace。店内には、テーブル席が4つほど。我われ3名が到着した時には、まだ誰もおらず来店1号。 メニューを眺める。いわゆるガーナの定番料理が並んでいるのですが(これがガーナ人が喰いたくなるやつという理解ができた)、とりあえず、食べたことのないものを少しずついただきましょう、ということで、トゥオザーフィ(TZ)とワチェ、ケンケを注文。 ケンケ ケンケは何度かのガーナ滞在の時にも食べましたが、改めて食べてみて、ドンクヌであることを再確認。ベナン、ブルキナと食べ方もほぼ一緒。ブルキナ民としては、魚が大きいのが違和感(うらやましい)ですが、やっぱり海魚が合うのですね。旨いです。ちなみに、ケンケは2階のガーナ食材店で買っていきました(500円!)。 ワチェ(スパゲティの下) 比呂さんの Ethnic Neighborhood でも紹介されています。比呂さんからは、赤飯みたい…と聞いていて、おそらく ベンガ のことだろうと思っていましたが、ビンゴでした。豆も2階のショップで売っていましたが、ササゲですね。ほかのウェブサイト(大体自分が行ったところの名物料理的な書き方ですが、一様に北部(タマレとかワとか)ということも書いてあった)にも、書かれているように北側でよく食べられる、ということは、ブルキナなどとの繋がりあり、と見て、同じものと思っています。 正直なところ、これは旨かった…シトと呼ばれるペーストがあるのですが、これがつくだけでかなりいろんなものが食べられるのですが、これとゆで卵がついて、豪華な感じのするベンガでした。これ、ブルキナに持って行ったら売れると思うのですが。 TZトゥオザーフィ そして、トゥオザーフィ。これも念願でした。これは「ト」ですね。トは何回もこのブログに書いていますので、以下の記事をご参照ください。 https://cacaochemise.blogspot.com/2014/

【日本のアフリカン・レストラン】③「Seven star international」@草加(ガーナ料理)

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入口写真 埼玉県草加市。この街にアフリカ料理店が5店舗ほどあると言われている。少し前に「ぐるなび」で「アフリカ料理」と検索してGoogle Mapに落とし込んでみたことがあるのだが、都内のよく知られたレストランを除けば、かなりの部分が埼玉県に存在している。ちなみに、関西には非常に少なく、京都に至っては、伏見区に一軒、タンザニア料理店がある程度。とにかく、アクセスしにくい。 今回は、埼玉県東松山市で開かれたセネガルコミュニティの月例Dahiraに参加したのち、草加に移動、ここのところ仲良くさせていただいている比呂さんに教えていただいた Sevenstar international へ。  店内は、カウンター6席ほど、4人掛けのテーブル席が5つほど。カウンター横には、アフリカの食材が積まれている。 この日、僕が店に着いたのが19:30ころ。すでにテーブル席は満席、カウンターには2人の女性が大声で談笑しており、その隣に食事をしている男性がいた。すべてアフリカ系の人たち。全てのテーブルに料理が出されており、客はいるが、店員の男性(おそらく店長)はそれほど忙しそうではない。カウンターの隙間から見えるキッチンには、3名の女性が見える。調理を担当しているのだろう。 店長と思われる男性に、メニューを聞くが、心は決まっている。久しぶりのガーナ料理ということもあり、ここは定番のライト・スープ…頼んではみたものの、実はその直前にセネガルコミュニティでチェブ・ギナールをいただいてきている。ちゃんと喰えるのか… 着丼(?)。 フフーは大人のこぶし二つ分くらいのかなりの大振り(ガーナの通常サイズ)。そしてライト・スープには、臓物と肉がゴロゴロしている。日本基準だと2人前は軽くある。フフーはヤムパウダーっぽい味がしたが、ライト・スープはなかなか(と言っても、それほど味の規準があるわけではないのだが…)。それでも、遠い記憶で、スープを口に運んだ瞬間に汗が噴き出したライト・スープを思い起こすと、若干日本向けか。店は完全にガーナ人向けだが。ともあれ、節度のある辛さ、といったところ。 移動からの調査、夕飯2食目、と言ったところで、テンションが上がりきらず、店長氏に話がほとんど聞けなかったが、とりあえずガーナ料理を思い出す、という最低限のミッションは完了。

【セネガルプログラム】ゴレ島:15年の時を超えて

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ゴレの日の出:学生たちと朝から海に行きました 2007年3月、修士論文を書き上げた私は当たり前のように博士課程に進むことにしていました。後に酷いケンカをしてしまいましたが、某先生の心遣いにより、セネガルに渡航することとなりました。これが私のセネガルとの出会いでした。 セネガルに渡航する際、どのようなことを見に行くのか、本や新聞記事を読みながら、セネガルでどんなことをするのか、ということを思いめぐらしていました。それまでブルキナファソで進めていた、ラスタマンについての研究をセネガルに派生させる形で、セネガルにもう一つフィールドを作るようなイメージを持っていました。そのような訳で、私の最初のそして最大のミッションは、セネガルでラスタマンに出会うことでした。 今、考えれば、当時の無知(もっと勉強してから行けよ!)が小恥ずかしいですが、セネガルに「ラスタマン」はいない…が、ラスタマンのような人たちはたくさんいる、つまり、ムーリッド、バイファルがそこらへんにいるのでした。 初めての滞在中、様々な人に「ダカールにラスタマンはいるか?」と尋ね続けていると、しばしば「ラス・マハ」というラスタマンがゴレ島にいるらしい、ということが分かってきました。そして、確か滞在も終盤に差し掛かったころ、ダカールで知り合ったバックパッカーの青年とゴレ島を訪れ、ラス・マハの営む宿泊施設に泊まり、深夜2時までラス・マハと植民地主義について語り合ったのでした。 ラス・マハ それから15年。昨年のプログラムの際に再開を果たし、その時に約束した通り、今年度ゴレ島に宿泊し、ラス・マハと学生たちと濃密な時間を過ごすことができました。奴隷の家でのラス・マハの解説は、きっとどのガイドさんよりも熱いものだったと思いますし、宿泊先として用意してくれた一軒貸しの家も素晴らしく、環境についてのワークショップも最高でした。 夏のプログラムの報告をだらだらと書いてきましたが、そろそろセーターが必要な季節になりました。これで一区切りとしたいと思います。このプログラム自体は、大学のカリキュラム変更のため、今年がほぼ最後ではないかと思います。アフリカ界隈からは、暖かい目で見守っていただき、アフリカと日本の実質的な架け橋として、たくさん応援もいただいていただけに、4年で終わってしまうのは残念です。しかし、なかなか良い経験でしたし、大きな

【イベント】京都精華大学CAACCS主催「映像でみるアフリカ・アジア社会とその課題」

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所属する京都精華大学アフリカ・アジア現代文化研究センターでは、毎年恒例のアフリカ・アジア現代文化セミナーを今年も開催します。今年は、「 映像でみるアフリカ・アジア社会とその課題 」を統一テーマとして、全4回開催します。詳細は上のウェブサイトをご覧ください。 今回のイベントで私の担当箇所を特にご案内しておきます。 ・第2回 2024年11月15日(金)  19:00~21:00 「エチオピアの隣人と映像を通して考える未来」 上映作品 作品1『吟遊詩人-声の饗宴-』( 2022 年、 17 分、監督・川瀬慈) エチオピア連邦民主共和国の都市にみうけられる酒場 “ アズマリベット ” 。ここでは楽師アズマリが弦楽器マシンコを弾き語り、人生の無常や恋愛、社会批判等を歌にし、庶民を楽しませる。アズマリのパフォーマンスの特色は歌い手のみならず、聴き手も即興的に詩を生み出し、歌い手に投げかけていくことにある。アズマリはそれらの詩を弦楽器の旋律にのせて一字一句復唱し、聴衆に聴かせる。本作は、アジスアベバのハヤフレット地区にあるアズマリベット Duka Masinqo において、長回しのシングルショットによって記録された、ゴンダール出身のアズマリ、ソロモン・アイヤノー氏と客たちの詩のやりとりである。ここで歌われた詩のテーマは、新型コロナウィルスの世界的な蔓延、ティグライ人民解放戦線( TPLF )と政府軍による戦争、過去と現在のエチオピア首相に対する批判、さらには大エチオピア・ルネサンスダム( GERD) 建設をめぐるエジプトやスーダンとの外交摩擦に至るまで多岐にわたった。アズマリベットの歌は、エチオピアの社会情勢や庶民の気持ちを映し出す鏡である。東京ドキュメンタリー映画祭 2022 「人類学・民俗映像部門」準グランプリ。 作品2.『つながりを生きる東京のエチオピア移民』( 2024 年、 48 分、監督・川瀬慈) 日本社会には、世界のさまざまな地域や文化にルーツを持つ人々がいる。その中でもアフリカからの移民の生活や活動は広く知られていない。東京都葛飾区と墨田区には、 200 人近いエチオピアからの移民が住んでいる。彼ら、彼女らはエチオピア正教会の集会でつながり、同国の音楽や食事を通じて地域住民と交流を行う。本作では、エチオピアの人々が自分たちの文化を守りながら、東京に根を下ろしつつ

【イベント】”ゼロ”プロパガンダ展 (11月10日/応募はすでに締め切り)

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イベント情報が続きます。こちらはすでに応募が締め切られている、というか、主催の比呂啓さんの周辺で一瞬で埋まってしまう、という超コアイベント。軽く引き受けましたが、何の目的で行われているイベントなのか、また、どんな属性の方が来られるのか、訳が分かりません。 こちらは「”ゼロ”プロパガンダ展」というイベントです。なんと11回目。シンポジウムの翌日の11月10日に開催されます。先日、比呂さんにはブルキナファソの食文化についての話を聞いていただきましたので、また別の話、ということで、少しずつ準備を進めています。 昨年は食文化の講演依頼が多かったですが、皆さん飽きられたのか、今年は別のもの(私にとっては、イレギュラー)が多い感じがします。若干たいへんですが、お呼びいただける限りはできる限りお受けしたいと思います。

【イベント】シンポジウム「西アフリカにおける宗教性と「政治」・「社会」ー「ライシテ」概念の運用をめぐって」

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2021年から始まった科研費「現代西アフリカにおけるライシテと宗教性の連続性の文化人類学的研究」(21H00651)も最終年度を迎え、いよいよ成果報告の時期となりました。始まった当初はコロナ後半。まだまだ海外調査に行きにくい時期でした。しかし、当時の海外渡航におおらかだった本学の仕組みのお陰で何度か海外調査に行くことができ、何とか最終年度を迎えました。 昨年度のアフリカ学会では、「西アフリカのライシテ研究の可能性と課題」と題した フォーラム を組み、プロジェクトの全体的な途中経過を公開しました。また、今年度の文化人類学会では、「 西アフリカのライシテの文化人類学的研究試論 」としてライシテの文化人類学的なアプローチの可能性を議論しました。 このプログラムの最後の締めくくりを、統一テーマとして「西アフリカの宗教性と「政治」・「社会」-ライシテ概念の運用をめぐって」として議論を深めたいと思っています。ここで、「ライシテ」という言葉を副題に落としたことがポイントで、フランス語的なライシテ、というのは、もはや西アフリカで語っても仕方ないのではないか、という結論です。むしろ、宗教(イスラーム)的な事象が正統に評価を受けるための、一つの免罪符的な役割しかしておらず、運用されるものなのではないか、ということを説いたいと思います。私自身は、「西アフリカの人びとの日常から「ライシテ」概念を再考する」という中でこのことをお話しできれば、と思っています。  

【セネガルプログラム】サンルイ②:「(船大工での)フィールドワークを始める」

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散発的ではありましたが、今年度は夏のフィールドの報告をたくさん書けました。この投稿ともう一本くらいで打ち止めとしたいと思います。 さて… サンルイの ピローグツアーの後 には、ゲットンダールに何か所かある船大工さんのところを訪問。セネガルの海沿いには、カラフルな塗装を施した船が目を引く。 この船がどのように作られ、誰が所有するのか。どのようなタイプの船があり、どれくらいの期間漁に出るのか、だれが船を所有し、誰が漁に出るのか、どのような魚が、どれくらいの量が獲れるのか…何から聞けばよいのかわからないくらいに疑問が湧いてくる。 ともあれ、2008年にここを初めて訪問して以来の好機。船の修理をしているところを見せていただきながら、学生たちといろいろと質問させてもらうことに。船のサイズ、修繕の方法、造船について…冗談を言ったりして少し間を詰めながらゆるりと懐に潜っていく。学生に通訳し、疑問を募りながら、巻き込みながら… しかし、30分もすると、初めてみる光景であること、かつ、この前のピローグツアーで2時間炎天下で過ごした学生たちの顔に疲労の色が見えてきた…この辺はちょっと計算外。 確かにかなり厳しい環境ではあるので、「昼食」と言って、チェブジェンが運び込まれたところで1軒目は終了。少し車の中のエアコンに当たり、近くにもう一軒修理工場兼造船所があったので、そちらにも訪問しましたが、やはり若干疲れた様子の学生の顔色を見て、ここで終了…調査初期にどのように現地に入り込んでいくか、ということや振る舞いを学生に見せたかったのに…くーっ… 若干不完全燃焼だったことも否めませんが、ファーストコンタクトとしては、なかなか。うまく調査の種として育つか?!と思っています。備忘録、バックアップを兼ねて下に調査時の写真と、写真をFBに上げた際に(思惑通り)いただけた民博の飯田卓さんからのコメントを載せておきます。気になることがあったら教えてください。   飯田卓さんとのやり取り(メモ) 飯田さん(以後I) 漁船のかたち面白いです。帆をかけて走る船はありますか? 写真に写っている船は船外機で推進するもの? 清水(以後S) 帆をかけたものは見られず、基本的には船外機で走ります。 驚いたのは、木を継ぎ接ぎした船にプラスティックコーティングをしただけで30年ほどの耐久性があるとか、その船を新造するのに10