いつのころからか、ソバが好きになりました。「一由そば」@日暮里

「ソバ」なんぞおやつでしかありませんでした。「食事」でソバ屋に入れば、大概丼ものと一緒に頼む。一種の強迫観念で、ソバは「軽い」という自己暗示にかかっていた、というところでしょうか(完全なるデブの思考…)。なので、「食事」のために「立ち食いソバ」に入ることなどなかったし、割高な和風の「ソバ屋」などもまず食事の選択肢に入ってくることはありませんでした。(ただ、「飲めるソバ屋」は比較的若いころに味を占めました) そして、特に関東を離れてからは、東京の醤油の利いたラーメンが恋しくなることしばしばで、パンチのあるラーメン屋という選択肢もあるのも、ソバ屋を遠くさせてしまっていました。 ここのところの投稿をご覧いただければお分かりのように、東京に行くとほぼアフリカ料理を食べているわけですが、最近では、評判の良いソバ屋に行くようになりました。食の好みの変化なんでしょうか、時々、強めのかつおだし、煮干し出汁とちょっとしょっぱ目の「返し」を欲するんですね。天ぷらはできればかき揚げを別皿でサクサクもしっとりも楽しみたい。 それで、先日の東京出張の際に、いくつかマークしていたソバ屋の中から、「 一由そば 」に決めいざ。 ここは24時間営業の立ち食いソバで、普通の「蕎麦」と「太蕎麦」がある。日本酒も純米がすこし荒々しくてよいし、ソバも無骨な田舎ソバがよい。そんなわけで、「太蕎麦」、そして、名物のジャンボゲソ天を注文。合計860円と、立ち食いソバにしては若干お高いが、吉牛でも最低それくらいすることを考えれば、全く許容範囲。 ソバはのど越し、うん、確かに。そういうソバも好きなのだけど、時に、もっさりして、顎を強力に動かさねばならないようなソバも好き。讃岐うどんか京都のうどんか、くらいの差がある気がする。「太蕎麦」をガシガシと喰い、大粒のイカゲソと厚めの衣をほおばると、喰ってる=生きている、ともいうべきな幸福感に満たされる。薄暗い立ち食いソバ屋の中、おっさんたちがソバをすする、昭和な雰囲気というのも捨てがたい。加齢のためか、この食べ応え抜群のソバのためか、そこそこに満腹になり、次の用事にむかったのでした。 リピートするのは間違いありません。