2016年6月20日月曜日

是枝裕和(監督)『海街dairy』

http://tsutaya.tsite.jp/item/movie/PTA0000OIFWVより
映画を見るのは京都で連れ合いと出かけて以来。嘆かわしいほどに映画館から遠のいた広島の環境では、劇場に気軽に出かけて…ということもあり得ない。

今回の出張、東京から香港までがANA便だったこともあり、公開直後の映画の何本かを見ることができる。色々迷ったけど、仕事も進めたいので、今回は往路一本、復路一本に決めた。往路の作品はこれ。

【あらすじ】
鎌倉に住む3姉妹(綾瀬・長澤・夏帆)の父は15年前に家を出て、山形へと行ってしまう。その父の訃報が飛び込み、姉妹は葬儀へ。そこで出会うすず(広瀬)は、気丈に大人たちの中でふるまっている。葬儀のあと、3姉妹は異母妹のすずに「鎌倉で一緒に住もう」と誘う。そして、すずは鎌倉へ。
父の死やそれぞれの姉妹の恋愛、そして、優しい食堂のおばちゃん(風吹)の死、幸(綾瀬)による看取り。時間を経て移り行く家族の時間と姉妹の成長の物語。

【感想】
物語はとても優しく、少しセピア色のノスタルジーを感じさせる映画だった。横浜で大学生時代を過ごした僕にとっては、鎌倉を舞台としたこの作品の一つ一つのシーンで「あぁ、あそこか…」と懐かしい気持ちにさせる。
放蕩ものだった父の反面教師か、何とか「正しく」生きようとするのに、家族のいる同僚医師と付き合ってしまう長女。そしてダメンズ好きの次女に、とても今風な三女という、三様の姉妹の生活は、とても堅実で、祖母から受け継いだ梅酒を大事にとっておいたり、ぬか漬けを漬けたり、ささやかな日常を振りまく。間違いなく家族がテーマで、四姉妹の強い結束が描かれていくのだけど、そのうち誰かがこんなことを言う(誰だったか忘れた)。「きっとお姉ちゃんもすずもどこかに行ってしまう」。時間は確実に移ろい、それは離別のみを意味するのではなく、すずが三姉妹の仲間入りをしたり、不仲だった母と幸が一緒に墓参に訪れたり、という、再結束も起こりうるのだ、というメッセージもあったように思う。
それにしても、つくづく思うのが、ありえないほど華やかな生活を描いてきたバブル期前後の映画やドラマがすっかりなくなって、ふと気づくと、こんな華やかな出演陣が、とても地味な「日常」を演ずる。こういう時代の変化も面白いと思った。

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