14th アフリカ教育研究フォーラム要旨

10月24日、25日に地球研で開催された発表の要旨。都合により、データは抜きましたが、全文を掲載します。このネタで二つ発表したし、論文にしないと。どこに投稿しようか…



ワガドゥグにおける「ストリート・チルドレン」の統計調査・調査結果報告
Result of statistic research of “Street-children” on Ouagadougou

清水 貴夫
(総合地球環境学研究所)

 本発表の目的は、20143月と7月にワガドゥグ市(ブルキナファソ)で行ったストリート・チルドレン総数および季節変動に関する統計調査の結果の一部を公表することである。本調査は科研費「西アフリカのクルアーン学校とタリベの動態と生活戦略に関する文化人類学的研究」(若手(B25770312代表者:清水貴夫)の成果の一部である。
 本研究のきっかけとなったのは、発表者が2009年の調査中に出会った18歳の少年、アルザック君が乾季にストリートで過ごし、雨季になると実家のある村落に戻るという、いわば出稼ぎのような生活パターンについての知見を得た時のことである。その後の調査の過程で、多くのNGOの職員は、こうした事例は珍しいものでなく、多くの少年がストリートと村落を往来していると述べる。NGOの発言が正しいものであるならば、この現象は特に次の3つの点において興味深く、この調査において明らかにしようと考えた。

    雨季と乾季でストリート・チルドレンの総数がどのように変遷するかを明らかにする
    ストリート・チルドレンは家族関係の悪化や児童労働の問題と関連付けて語られるが、こうした言説を再検討する
    2009年以来行われていない、ストリート・チルドレンの統計調査を行う

 調査は201435日(乾季)、728日(雨季)に行われた。調査地はNGOがこれまでの活動の中で特定した5か所で、2009年の調査の際も同じエリアで行われた。調査はワガドゥグ市内で活動を行う約10の団体のスタッフ約30名により、夜21時半より5か所で一斉に行われた。子どもたちの移動性が高いため、子どもたちが就寝する時間の前後を狙い、また、同じ子どもを複数回数えないようにするためである。本調査では、質問票を用意し、家庭状況、教育状況、宗教やストリートにおける滞在期間などをインタビュー形式で行った。

.2014年ストリート・チルドレン調査結果

初出:20140928日本子ども学会研究会議
シンポジウムB「アフリカ子ども学の試み:文化的・社会的環境で育つ子ども」


 以上の表は2度の調査結果の概要である。この結果から雨季にはストリート・チルドレンは約3割にあたる130名減っており、ストリート・チルドレン総数の変動があることが分かった。発表では、教育状況に関しても紹介していきたいと考えている。

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