2014年2月11日火曜日

都知事選に関する一考察

都知事選が終わった。都民でもないけど、この国の首都の選挙で、かなり国政にも影響が出そうな雰囲気もあったので、薄っすらと関心を持って見守っていた。僕個人としては、宇都宮さんあたりがよかったのではないかな、と思っていたけど、舛添要一さんの圧勝だった。家入氏のことを少し書いたけど、やっぱり僕はあまり好きになれなかった。

原発の是非や福祉と言った、国政レベルの議論が地方自治の中で語られることは、まったく間違っていないと思う。電力も原発の電力を都が買わなければ(というシステムを作る方向に動けば)それなりのインパクトがあるし、福祉についても、どんな福祉が必要なのか、をいくつかのレベルで議論できたはずなので、国と地方でできる議論とできない議論に分けてしまうよりもこの方がよかったように思う。

その意味で、傍から見ていると、政策の軸がブレて、そのズレを指摘し合っていたのはとても残念。ある友人も言っていたけど、原発推進派と反対派がいて、反対派は具体的なガイドラインを示すことができなかったから票にならなかったのではないか、と。その意味で、鳴り物入りで出馬した細川氏と宇都宮氏で票を分け合った感があるけど、二人足して、さらに家入氏を足しても舛添氏の得票に届かなかった(そして推進派の田母神氏を加えたらその差はさらに大きくなる)。そんなわけで原発の議論に関しては、僕の友人はとても鋭いと思った。ただ、恐怖体験から逃れるためだけに反対するのではなくて、自分たちの生活がどうなるのか、そして、どうしたいのかを説得的に語る必要がありそうだ。僕はできれば今くらいの生活レベルがあってほしいし、もう少し先には多少経済的にも豊かになっていたいので、原発を減らしながらこれに代替するものを開発していく、という道筋がいいと思うのだけど。こんなこと言ったら怒られるんだろうか?とにかく、原発を止めてみたら電気代が上がったとか、そういう話から迫り上げて行けば、おのずと賛成反対だけでは議論にならないことがわかりそうなものだが…

そして、家入氏。なんか絡んでみたくて仕方がないのだけど、インターネ党?だったか、これは本当に政党になっているのかすら知らずに申し訳ないのだけど、この党はいったいどういうことだろう?なんとなくこれからの選挙の在り方のモデルをだしてくれたように思うけど、まだ時代は家入氏にはついていっていないな、もしくは、上滑りしてしまったな、というのが正直な感想だ。もしかするとネットに親しんだ僕ら世代が70歳、80歳になったころには当然のことになっているかもしれないけど、2014年は少なくともそんな時代ではないようだ。

120の公約、全部は見ていないけど、猪瀬氏を副知事に、というあたりは猪瀬氏も有権者も少々舐めすぎ。こんな時代だから若者向けの配慮も必要なのだと思うけど、働ける可能性の多い若者が、働ける可能性の少ない高齢者を支えるという従来の高齢者福祉の前提となっている図式を崩すことのメリットはどうにもこうにも見いだせなかった。もっと突っ込めるところはあったけど、すでに忘れてしまった。しかし、彼の生い立ちには一定の理解をしめしつつ、彼の主張がただ若者に楽をさせろ、ということだったように見えてしまったのは僕だけだろうか?そして、それ以上に、舛添氏の211万票に対する家入氏の9万票弱というのは、Twitterなど、匿名性の高い言説空間で発せられるつぶやきは今のところその域をでていない、言い換えれば、本質的な責任が伴う政策議論には到達できなかったという証左ではなかろうか。家入氏自身が戦いはこれから、ということを述べているので、これからネットによってどのように世論を動員するのか、ということを見せてくれるのではないか、とほんの少しの期待をしてみたい。

薄く関心を持ってみていた程度で評論などとんでもないのだけど、もう一つ言いたい。

僕は今のところ、民主主義が最も優れた政治の体制だと思う。多数決が原則で、必ず勝ち負けがつく(10-0はほぼないわけなので)。すると、僕は負けたら、勝った方にかみつくのではなくて、なぜ負けたのか、ということを考えることがこの体制の在り方なのだと思う。家入氏のことを悪く書いたけど、彼のやり方には新しいなにかがあって、今のところ、今まであったものを捨てすぎたのではないか、と思った。戦いがこれからなら、原発の在り方や、120の政策が果たしてぶれないものなのか、という検討から始めてほしいと思うのだ。また、他候補を支持した有権者も「この世の終わり」「最悪」とか言っていないで、なぜ自分たちが望む世界にならないのか、ということを考えてみたらいいと思う。負けた方が首をかられるとかいう首狩り族だか、封建制の世の中ではないのだから。

臥薪嘗胆。今回の都知事選を振り返って、こんな言葉が浮かんだのでした。

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