『モンスター』百田尚樹

最近、映画化が決まったこの作品。僕が読んだ百田尚樹は2冊目。最初に読んだのは『永遠の0』。とても硬派な内容の小説で、語りを紡いでいくスタイルで、この作品もとても期待していた。

もちろん、期待を裏切られるどころか、とても面白くて、エンジンが掛かってくると一気に読まされる魅力に溢れた小説だった。

劣等感とか、コンプレックスとかいう心性を持たない人はいないらしいけど、きっとこういう感情や感覚が紡がれていくのはとても複雑な経験や体験を経ていて、この作品を読みながら、自分の劣等感やコンプレックスがどうやって紡がれてきたのかをずいぶん考えてしまった。

ブサイクをコンプレックスに持つこの話の主人公は如何に「美しく」なるか、というところに異常なまでの執念を燃やすのだけど、「美しく」なることが幼いころに恋い焦がれた人にもう一度会うためという目的と自分を馬鹿にした人に仕返しをしようとする復讐心と「美しく」なること自体が目的になったり…

男性作家が女性を描いているので、果たして女性が共感できる主人公像なのかがわからないので、女は怖い…というところに落ち着いてしまうのだけど。また読んでみたい作家です。

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